徒歩参詣

人生でやりたいことリストの1つ、徒歩参詣を果たしました。

東京の日本橋麒麟像から三重県伊勢神宮まで歩くというものです。

 

 

概要

この日記で書く大きな流れとしては

 

・背景

・そこで見たもの

・同じことをする人へ

・後日談

 

という感じです。

よろしくお願いします。

 

 

背景

4月から就職するわけですが、時間がかかる挑戦というものは学生最後の春休み中にしておくべきですよね。行動力のある多趣味人間を自負していますが、中でもまとまった時間が必要なものは旅行でしょう。

 

海外?行ったことのない島嶼部に行く?

 

いずれも働いてお金を稼いでからでもなんとかなりそうです。本質は、行き先ではなく何で行くか?という問題でした。飛行機、車、電車、船、自転車、いろいろありますが徒歩という選択肢がここで挙がったのです。周りの誰もやっていなくて(賞味期限がない話のタネになる)、自分もこれまでにやったことがなく、社会人になってからではおそらくできないであろうという今やるべき要素を満足していました。

 

すると今度は目的地です。四国のお遍路巡りをするという考えもありましたが、予算の都合と不慣れでセーブポイント(宿泊地)が欲しいということで却下、そこでお伊勢参りが挙がりました。調べてみると江戸の一大ブームとなり、およそ6人に1人がお伊勢参りをしたといいます。途中の宿場町には伊勢参りの人を無料でもてなす風習があったらしいのですが、飛脚や川を越えるときのお金を含めて、現在でいう170万円ほどの資金が必要となったそうです。それが今や東京駅の機械に2万円突っ込めば数時間後には現地です。便利になったものですね。

 

学生だとネットカフェで学割が効くので、快活クラブという系列ネットカフェで夜を明かしつつ東海道を進んでいくことにしました。夏は熱中症になっても誰も助けてくれなさそうということで、空気が乾燥している時期に決行しました(雨が降らなさそうだし)。計画自体は8月にしたので、半年待ちましたね。

 

 

そこで見たもの

旅をするときは毎回テーマを決めているのですが、日本人として東海道を歩き、天照大御神にご挨拶したいという想いで「江戸時代の伊勢参りを体験しよう」にしました。

 

2月の半ば、友達に背負うタイプのリュックを借り、日本橋に立ちました。

日本橋

 

途中の日吉では慶應義塾大学が学部入試を実施していました。

 

1日目は昼くらいにスタートしたのであまり歩けず新横浜で夜を迎えました。基本的には国道1号線に沿って歩いていきます。

朝焼けの新横浜駅

 

江ノ島には友達の別荘(*1)があるので、そこで泊まらせてもらいました。そこの管理人さんには「やってることヤバすぎワロタ」という感じの反応をされました。至極当然です。

 

ちなみにこの日、家庭教師をしていた高校生から慶應合格の報を受けました。嬉しい限りですね。

 

喜びも束の間、待ち構えるのが箱根越えです。標高は1000メートルを超える箱根峠、ありえないほどの急斜面、そして雨。江戸時代の石畳を通りましたが、ぬかるんでとても滑りました。なんで石畳にしちゃったんですか?

箱根旧街道

 

ここで肉離れでもしたらきっと誰も助けてくれません。痛む脚を庇いつつ慎重に歩を進めました。暗くなる前になんとか三島まで降りてくることができましたが、足の裏はマメだらけです。江戸時代の人も毎晩マメをつぶすのが日課だったようです。にしても健脚だな。

 

脚が痛くなるとはどういうことか、具体的に説明してみます。まず膝の裏の筋肉が張り始めます。階段を登るときに体重が掛かると「ピキッ」となります。けっこう怖いです(ケガしたらチャレンジ終了なので)。それをかばうと脚の付け根、鼠蹊部が痛み始めます。そして同じくらいに靴擦れによる表面的な痛みが現れます。休憩できる場所に腰をおろすと、筋肉が固まります。運動部だったのですがこれは初めて経験しました。座ったときの膝の角度に固定されてしまい、本当に歩けなくなるのです。ぐぐぐっとなんとか曲げても痛い、伸ばしても痛いという状況で、本当にしんどかったです。

 

シップは毎日20枚くらい使いました。いろいろ試しましたが、サロンパスが最強でした。同時に筋肉をつけるため、毎日プロテインを飲み、静岡ではさわやかでハンバーグを食べました。すると静岡市あたりから体が慣れ始め、寄り道や考え事ができるようになりました。普段はヒキニートしているので、「おい普段自重すら支えてないんだからこんなことできると思うなよ」と脚に怒られていましたが、少しずつ静かになっていくのを感じると人間の順応性の高さに感謝という感じです。

 

途中、富士市では久々に晴れて綺麗な富士山を拝むことができました。インスタグラムで有名なスポットを通りましたが、被写体がブスすぎたので自分の写真は撮りませんでした。

富士山に至る道

 

富士山って本当に大きいです。押上でスカイツリーを見たときの感覚に近いです。そしてこんなに高いのに、周りに高い山がなくて裾野が綺麗に映るのが偉いんですよね。人生でやりたいことリストのうちの1つに富士登山があるので、いつか登りたいですね。ちなみに江戸時代の人は伊勢参りの帰りに寄り道して富士登山していた人もいるらしいです。健脚どころの騒ぎじゃねえぞ。

 

富士を出ると難所、薩埵峠です。割と海沿い歩いているんですけど、関係なく山や峠があります。メンヘラみたいです。

薩埵峠

 

現代文明のおかげで海沿いを辿っていけます。東海道線国道1号線とともに富士山を望みます。

 

由比、清水と進み、ようやく静岡です。静岡ではお店の開拓をいくつかしました。途中途中で美味しいものを食べていかないとやってられません笑。まずはおそば。

手打ち蕎麦 たがた

 

ずっと行きたかったお店の1つです。イタリアの塩、静岡のわさび、天ぷらをお供に。塩を少しつけて蕎麦を啜ると薫りが立つので大好きです。

 

食べてみると今まで味わってきた中でも指折りの薫り高さです。店主さんが「これ美味しいでしょ笑」とニッコニコで色々教えてくれました。産地は秘密にしてほしいとのことですが、チベット在来という種類を使っているようです。2枚目は長野県黒姫産。やはり蕎麦は国産に限りますね。近くにあったら通うレベルです。静岡に来たらまた寄ります。

 

tabelog.com

 

静岡を出るとすぐに安倍川です。安倍川餅の元祖、創業は文化元年、昔ながらの茶屋という雰囲気のお店で安倍川餅を食べました。

安倍川もち せきべや

 

つきたての柔らかさ、米を強く感じる味わい。漉し餡ときな粉と砂糖で。ばかうめえですね。静岡土産にありだなあ、と自分用メモに加えます。静岡駅から徒歩で15~20分くらいです。

 

tabelog.com

 

国道を少し外れ、静岡の山間部に。東海道五十三次でいう岡部宿、宇津ノ谷です。

岡部宿

 

絵を見た瞬間に「あ!ここじゃん!」となりました。写真だとわかりづらいですが、背後から写真の左くらいを川が流れています。同じ画角で撮りたかったのですが、普通に川の上で行けませんでした。

 

浜松を越えると浜名湖で、愛知県との県境です。東海道新幹線によく乗る人は「なんか海の上走ってね?」となるあの場所です。実際、浜名湖汽水湖で、湖には海水が混じっています。

 

うなぎを食べたかったのですが、高いのもありますし営業時間と待ち時間の兼ね合いから今回はパスしました。諦めてコンビニでおにぎりとか買って食べました。今思えば餃子食べればよかったですね。

弁天島 赤鳥居

 

赤鳥居の奥に見えるのが国道1号線、歩行者は入れません。

 

愛知県に入ると雰囲気が変わります。フィーリングな部分になるのですが、静岡と愛知って何かが違いますよね。山肌の茶畑から平地のキャベツ畑になり、景色が変わる、という感じの。あと愛知県に入って牛を見ました。いや、見てないけど、そういう強烈な匂いがしました。

 

東海道はこんな感じの松並木が見られます。徳川家康公が街道整備の一環で、一里塚とともに置かれ、木陰や風雪しのぎの場を与えたようです。私が歩いた時も「あ、この道で合ってんだな」という安心感を得られました。

東海道 松並木

 

そういえば豊橋は家康公の本拠地でしたね。ちゃんと感謝しとけばよかった。

 

豊橋からは渥美半島に抜けました。コンビニはないし、お店もありません。山はあります。

河津桜と菜の花

 

渥美半島は初めてきましたが、菜の花が名物らしいです。

 

船で鳥羽まで抜けました。三重県のイメージが松阪牛と伊勢海老しかなくて。一人で松阪牛食べるのは流石に虚しいがすぎるので伊勢海老だけでも、と思い食べてきました。

目の前で捌いてくれた伊勢海老

 

鳥羽からは3時間程度で伊勢市です。

 

ゲストハウスに荷物を置いてウイニングランです。まずは外宮です。

外宮

 

お参りして、1時間ほど歩いて内宮です。この頃には「5kmか、余裕で歩けるな」という思考になっていました。

内宮

 

感動です。知床を訪れたとき、すごくいい曲を聴いたとき、そんな全身が震える感動をしました。

 

伊勢に宿を取ったので、早朝にもう一度お参りしました。京都のお寺もそうですが、本当に行きたい場所は朝の5時や6時くらいに行くととても空いていていい写真が撮れます。

早朝参詣

 

早朝の、木々に囲まれた参道の厳かな空気を感じます。

 

大変という言葉では表せないほど大変な旅で、これまでの人生で指折りに苦労したことに入るのは間違いありませんが、やってよかったと思います。

 

 

 

同じことをする人へ

まずは持って行ったものです。

 

携帯(宿を探す)

充電器

財布(小銭はできるだけ作らない)

着替え一式(上と下1着ずつと下着を何枚か)

カミソリ(ネットカフェにはない)

御朱印

非常食

 

東海道には多くのコンビニがあり、非常食は不要でした。荷物を軽くするために箱根を越えたあたりで食べました。

 

行動時間は大体7時くらいから17時くらいですね。19時を過ぎると暗すぎて歩けません。

夜の浜松付近

 

浜松市街地から数キロでこの暗さです。こうなると車の灯りで歩道を探すしかありません。こうなる前に宿にたどり着いている必要があります。

 

そして重要なのがマップアプリを過信しない、ということです。実際に行ってみたら歩行者が通行できない、というものもありました。トンネル、高架、海沿いは特に注意し、前日の段階で通行可能かどうか、グーグルアースのような機能で実際に歩道があるかどうか、歩けるかどうか確認しておくと良いでしょう。

 

また、水分管理も重要です。山間部、田舎ではコンビニや公園、お店も少なく、トイレに困ります。喉が渇いて困ったことよりも、トイレに行きたくて困ったことの方が圧倒的に多かったです。

 

 

 

後日談

伊勢のゲストハウスの人に聞いた話ですが、内宮と外宮ではなんかバチバチしてるみたいです。内宮の周りはあまり宿を作らず、全て外宮に任せていて、一方で内宮周りはおかげ横丁を中心に飲食系が栄えていますが、外宮はさっぱりです。

 

そして内宮周りの飲食店は17時くらいに一斉に閉まります。観光地らしくないのですが、これもいざこざの影響、らしいです。

 

帰りは青春18きっぷで帰ってきました。せっかくなので前から行きたかった長崎に寄ってきました。

鍋冠山公園 世界新三大夜景

 

こういう無茶な行程を組めるのは一人旅の特権ですね。

 

 

 

*1 50歳くらいの友達。参加していたインターンシップの主催の人で、そこで仲良くなって「お前東大生だからウチの子の勉強みてくんね?」という家庭教師の関係になり、内申オール3で私立高校しか見えない状態から偏差値70の公立高校に合格させた。「あなたのおかげでここが買えたからいつでも来てね」と言われている。潮の匂いが嫌いなのであんまり行ってない。

24卒アクチュアリー就活

アクチュアリー」は実質的に閉じた世界であり、アクチュアリー試験についても就活についても情報が外部に回ってくることはそう多くありません。かつて就活という情報戦で苦労した自分のような人のために、去年のことを思い出しつつ、ブログという形で公衆の縦覧に供する媒体で書けるところだけ書こうと思います。

 

 

 

概要

この日記で書く大きな流れとしては

 

・自分の就活の流れ

・感想

 

という感じです。

よろしくお願いします。

 

 

 

前準備

12月のアクチュアリー試験まではその勉強に集中し、2月の結果発表で3科目取れていました。後述する数理試験では、アクチュアリー試験に合格する能力があるかを見ているので、ここで数学を取れていれば数理試験は無条件にパス、という会社もありました。

私は1月から就活を始めたので、そこからの流れについて見ていきます。

 

説明会、インターンシップ参加

最初は某ナビ、某ナビ、某ナビといった就活サイトに登録し、会社の説明会、説明会を兼ねたインターンシップに行きます。1月から2月にここを体験しました。このうち理系ナビでは、アクチュアリー試験の模試で1位を取って景品とかアマギフとかもらったり、そこで仲良くなってそこそこ高い居酒屋を奢ってもらいました。機会があれば宣伝しといて、と言われていたので宣伝しておきます。面接対策とかしてもらったのでかなり助かりました。

さて、このステップは必須ではないので私は生保と損保で1社ずつインターンに参加し、それぞれが何をする会社なのかを知りました。ちなみに、生保損保以外には年金や監査法人といった選択肢がありますが、基本見てませんでした。将来のキャリアから逆算すると最初は保険会社だなあと考えていたからです。インターンに参加すると、基本的には就活のステップで優遇を受けられます。特に、グループワークで担当の社員がつく場合はグループワークを重視していると考えて良いと思います。

インターンは参加するだけで優遇を受けられるので楽です。参加する意義を考えるならば、その会社に集まる学生のレベル感を理解できる、といったことが挙げられると思います。グループワークで全部の作業を私に押し付け、「過程を理解しているのはあなただけだから」と発表まで全て私にやらせたあの会社だけは絶対に行くものか、と思いました。いいことだけではありませんね。

 

ES提出

3月1日からES提出が始まりました。内容的にはどこも似たようなことを聞いてきます。どこも似たようなことを答えていましたが、面接で深掘りされても対処できるようにするためには、この段階できちんと練っておく必要があります。(企業に対して言えるような)大切にしたい理念は自分の成長?海外経験?働きやすさ?雇用の安定?社会に与える影響?それはなぜ、どのような経験でそんな考え方になったのか?というところをスッと説明できるようにしましょう。

どこの会社にESを出すか、という話になりますが、四大生保、三大損保も、その言葉自体もロクに知らなかったので日本アクチュアリー会のHPにある協賛企業名+新卒みたいな感じで調べていました。以下、個人的な偏見を示しておきます。

 

一般に外資実力主義というが、専門職にはあまり当てはまらない

日系企業は基本養ってくれるが、ある程度の理不尽さ(怒られたり)はある

試験対策が手厚く、知名度があって合コンでモテるのも日系企業

外資はその辺お給料と裁量制で対応

外資と一括りにするのではなく、親会社の本拠地(アメリカ?フランス?)を見るべき(cf. アメリカの会社はドライで実力主義)

 

学生経験で力を入れたこととか、なぜアクチュアリーなのか、といった設問は頻出なので、200字、300字、400字くらいのものを書いてコピペで対応していました。学生経験についてはチーム経験の方がウケがいいです。企業はチームで働く場所なので。私が使っていたテンプレを示しておきます。

 

志望理由 就職活動を始めたとき、自分自身がどのように社会に貢献できるかを考えたところ、自分の強みが(自分の強みかつAC職に必要そうなもの)にあると考え、アクチュアリーとして働くことを志し、現在はアクチュアリー一次試験のための勉強を進めています。そのためアクチュアリー職を志望しておりますが、その中で貴社はその(説明会、仕事体験、HP、インターン)にもあるように(会社が強みとしていること、企業理念)という印象を受けました。(自分の理念、考え)と考えておりますが、(企業理念、仕事の進め方を上手い感じに言い換える)その姿勢に共感し、貴社のアクチュアリー職を強く志望しております。

学生経験 学生時代には(学生経験の内容)をした経験があります。(そこであった困難)といった困難がありました。そこで(困難を克服するための工夫)という工夫を施しました。その結果(達成したこと)することができました。この経験から、私の強みが(分析力、傾聴力、課題発見/解決力ほか企業理念に合うものを選ぶ)であると考え、その強みが活用できる仕事に就きたいと考えています。

 

あと、生保への志望理由は人と長く関われるから、損保への志望理由はより一般的な課題解決ができるからという人が多いようです。

ESで落とされることは基本ないですが(一次締め切りで出しましょう)、ネットのESをコピペして落とされた人がいました。皆さんはちゃんと自分で考えて書きましょう。

ESを出したら基本Webテストがあります。受け忘れないようにしましょう。

 

数理試験

アクチュアリー職特有の選考ステップとして、数理試験があります。

インターンに参加していれば周りで過去問を持っている人がきっと一人はいるので、仲良くなってもらっておきましょう。試験範囲としては大体アクチュアリー数学の確率(たまに統計)、大学入試レベルの数学、大学初等レベルの数学(線形代数微積分)といったところでしょう。微分方程式まで押さえていれば安心でしょう。

数理試験は足切り程度の認識でいいと思います。教養学部時代に雑にやった程度ままほとんど復習していない知識で、行列式ってなんだっけという状態でしたが、数理試験で落とされたことは一度もありませんでした。

 

・確率統計

指数分布、ポアソン分布、二項分布、一様分布あたり

複素数

簡単な計算問題、複素平面で考えると簡単になるものとか

・極限

数列と組み合わさることもあるが、せいぜいロピタルで解決できるレベル

積分

積分が頻出、dxdyをrdrdθに置換するのを思い出しておく

・行列

行列式の計算、n乗の計算、対角化

・パズル系

配点次第でちゃんと捨てる

微分方程式

あまり出ない

・複素積分

きもいところは出す(問題量的に解けないところにあったりする)

 

面接

ESと数理試験は基本通るので、面接対策もしておきましょう。

最初は自己紹介で、必要なものは基本情報、過去の特徴的な経験(ここを深掘って欲しいというもの)、面接への意気込みです。私が使っていたテンプレを示しておきます。

 

(学校名)から参りました、(名前)です。 学生時代は(学業、サークル/部活、アルバイト、学外活動ほか)で(活動内容)という活動に注力しました。そこで培った(分析力、傾聴力、課題発見/解決力ほか)を活用する軸としてアクチュアリーを選択し、現在は大学院で研鑽を積んでいます。本日は緊張していますが精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願いします。

 

ESの内容をもとに質問を飛ばしてくるので、面接前には自分が書いたESに目を通しておきましょう。私が受けた質問を示しておきます。これらに対する回答を経験や理由を含めて作り、さっくり言えるようにしておきましょう。

 

(学生経験について)それをしようとしたきっかけは何か

なぜ始めようと思ったか

始めた当時持っていた目標は何か

どのような業務に取り組んだか

その業務の中ではどのような工夫をしたか

チームの中での役割は何か

取り組んでいる最中に大切にしていた想いは何か ぶつかった困難は何か

その困難をどのようにして乗り越えたか

その解決法の策定プロセスは

なぜそのような困難が発生したのか

最も苦労した経験は何か

その経験を通して何を得たか その得られたものが活用できた場面はあるか

取り組んでいる最中に失敗したものはあるか

その失敗に対して今ならどのように対応するか

そのほか、時間を忘れて取り組んだものはあるか

ほかに学生時代に打ち込んだことは何か(合わせて3つあると安心)

なぜ生保/損保/年金か

なぜアクチュアリーか なぜうちの会社なのか(他社批判せず、会社を持ち上げる方向で)

会社に入って成し遂げたいことは何か

アクチュアリーを目指し始めたのはいつか

(院生で過去の専攻と異なる場合)なぜ専攻を変えたのか

志望度はどれくらいか(「第一志望です」と答えないと基本落ちる)

就活の軸は何か 他に受けている企業はあるか(「〜という就活の軸に沿って数社受けています」から入って企業名を続ける)

選考状況は

どんな研究をしているか(中身ではなく、どのような課題解決につながるか)

現在の社会課題に対して取り組んでみたいものは何か

趣味は何か

⻑所、短所は何か(短所はどのように克服しているかまで述べる)

周りの人にどのように言われるか(自己評価との乖離度をみている)

アクチュアリー試験は受けたか

 

最後に逆質問という形で「何か質問はありますか」と言われます。何もないですと答えると企業に興味がないと思われるでしょう。2問くらい用意しておくと良いですが、4問質問しないと時間が余りまくってしまうことがあります。新入社員に期待していることは何か、学生時代に後悔したこと、(面接官)から見て会社にどのような人が多いか、ということを聞いていた記憶があります。

また、面接を受けていれば落とされることもあるでしょう。優れている人が優れた学校に行くというのは企業にはあまり当てはまりません。どちらかというと相性です。体育会系だったり、面接官と働きたくなかったり、就活生側も選ぶ立場であることを認識しておく必要があります。もし志望度が高い会社に受からなくても、「きみも見る目がなかったのか...」と言いながら美味しいものでも食べましょう。

 

 

 

感想

面接でうまく答えられなかったときが一番しんどかったですが、FAQを作り始めて答えられるようになってからは面接も通過するようになり、割と楽しかった記憶があります。ある程度自分が優秀な方だと思っているなら、そこまで気にしすぎることはないと思います。就活生の方はいい企業に入れるように頑張ってください。

そういえばアクチュアリー試験インセンティブってすごくて、一科目受かると年収が数十万上がったりするんですよ。余計に不安になるくらいならそのお金で何するか考えましょう。

 

サクッとまとめるつもりが長文で駄文で読みにくい文章になってしまったかもしれません。ご容赦ください。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

 

責任準備金対応債券に関して

まとめておかないと忘れてしまうので。

実務にまだ携わっていない個人の認識ですので、もしかしたら間違っているところがあるかもしれません。

 

 

概要

この日記で書く大きな流れとしては

 

金利変動による財務諸表への影響に何とか対応したい

・保険会社からの要望により責任準備金対応債券が生まれた

・ペナルティーも(比較的)軽くて使いやすい

 

という感じです。

よろしくお願いします。

 

 

背景

金利変動がもたらす資産と負債のミスマッチの影響をできるだけ小さくしようという動きがあり、その一つとして経済価値ベースのソルベンシー規制の導入があります。

責任準備金の計算基礎率はロックイン方式なので、負債については簿価評価されるのに対し、資産については株式、債券によって運用されるため時価評価となるものもあります。このため、当初の予測から市場利率が大きく変化したときにサープラスの増減が発生することとなります。ALMでは資産と同じように負債を時価評価しようというモチベーションがあり、資産と負債のデュレーションを合わせることでサープラスの分散を最小化しようという考えがあるようです。デュレーションを合わせられると、利率変化による影響が同じ方向に連動して働くこととなるために分散が最小化する、と理解しています。

しかし一般に生命保険会社においては資産のデュレーションよりも負債のデュレーションの方が長くなります。保険期間は何十年、場合によっては一生というものもあり、非常に長期の契約となるのに対し、市中に存在する金融商品はそれだけ長い満期を持たず、長いもので40年国債という認識をしています。このミスマッチのために何らかの対応を取ることが求められている、というのが背景としてあります。

 

 

満期保有目的債券による対応

かんぽ生命やソニー生命では満期保有目的債券を用いて対応していました。生命保険会社の保有する債権はALM目的とするものが多いのですが、満期保有目的債券は償却原価法で評価するため、時価評価をしない資産ということになります。これは負債が簿価評価であることからALMの考え方と整合的であると言えます。

満期保有目的債券の欠点は金利上昇局面で表面化します。金利が上昇すると予定利率よりも市場利率が高くなることがあり得ます。そうなると契約者としては契約している保険から他の金融商品に乗り換えた方がお得、ということとなり、生命保険会社は契約を解約されてしまうということになります。解約には解約損益や解約控除といった論点が挙げられますが、ここでは解約返戻金を払い戻すための流動性が議論となります。

一般に保険契約を解約する際には解約返戻金を払い戻すこととなっています。

 

保険法 第63条

保険者は、次に掲げる事由により生命保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金を払い戻さなければならない。ただし、保険者が保険給付を行う責任を負うときは、この限りでない。

 

 

 

生命保険会社は契約者の資産を金融商品によって運用しているので、契約者にすぐ払い戻せる形として持っている部分は少ないのです。金利が上昇して解約が増え、解約返戻金を大量に支払わなければならないという状況になると、保有する金融資産を現金化する必要性が生じます。満期保有目的債券は償却原価法で評価しているため、売却するときには売買目的有価証券に振り替えるとともにその含み損が実現することとなります。その結果、貸借対照表に大きな打撃を与えることとなります。

保険期間が長期となる生命保険契約では「満期保有目的債券はちょっとなあ」となるわけです。

 

話が飛んでしまいますが、そもそも利率上昇局面で保険契約を解約されないための対応として、予定利率を市場利率と変動させたり、あるいは解約返戻金を支払うための流動的な資金需要に応えるためにちゃんと投資できなかったから、その分は契約者が負担しなさいという名目で解約返戻金から市場利率に対応した幾らかを差し引くMVA(Market Value Adjustment)といった商品設計を行なったりすることが考えられます。

 

 

責任準備金対応債券の導入

上で見たように生命保険会社の財務には、

 

・責任準備金がロックイン方式で評価される

・超長期の債権を多く保有する

・本当に長期の負債に対応する金融商品が存在しない

 

という特性があります。これを受けて責任準備金対応債券が導入され、業種別監査委員会報告第21号において責任準備金対応債券とみなされるための要件が示されています。

 

1. リスク管理を行う管理・資産運用方針を策定していること

2. リスク管理体制が適切に整備・運用されていること

3. 小区分の設定と管理

4. デュレーションマッチングの有効性の検証と定期的検証

5. 金利変動に伴って価格が変動する債券で、変な債券(劣後債券や格付けが悪い債券)ではないこと

 

ここで個人的に感じた疑問は

 

・結局資産と負債のデュレーションが合わないのではないか

・小区分って何すか

 

というものです。会計士の人にぶつけてみました。

小区分というものは区分経理上の商品区分や保険種類ごとに考えるものではないようで、例えば30~40年後の負債キャッシュフローに対応する部分、というように設定するようです。加えて超長期の負債キャッシュフローに対する部分はレバレッジをかけて資本を拡充していくことで対応するみたいです。

有効性判定要件にも関わってくるのですが、管理のしやすさという点で優れているという話で、ALMの考え方と整合的ではあるがALMを完全に実現できるわけではないという点に注意する必要がありそうです。

有効性があると認められるためには、原則として小区分内においてデュレーションマッチングが±20%のレンジに入っていることが求められます。もし外れてしまったとしても、

 

・小区分内の債券をその他有価証券に振り替えなければならない

・2事業年度の間、小区分の変更や新規の責任準備金対応債券の指定に制限がかかる

 

のみであり、他の小区分に影響を及ぼさないこと、小区分内のペナルティーも2事業年度に限られているという点で偉いというわけです。

責任準備金対応債券は保険会社にのみ認められたというだけあって使いやすいものとなっており、ありがてえありがてえという話ですね。

 

ちなみに満期保有目的債券、責任準備金対応債券の他にも包括ヘッジを活用している会社もあります。

 

 

その他

デュレーションマッチングというのは、経済価値を金利で展開したときの一次の項を合わせるという考え方で、二次の項(コンベキシティ)の一致までは考えていません。よって金利が大きく変化したときにサープラスの変動は大きくなることがあり得ます。このような変動があるから、と諦めてちまちま調整するのが良いか、ちゃんとしたモデルを組み立ててある程度の変動でも有効性条件を満たすようにしておくのとではどちらが良いのでしょうね。後者の方がALMちゃんとしてそう、と言いたいものですが、この合理的な説明を与えるのが株価のボラティリティーという観点です。

ちまちま投資資産構成を変えることは、株価ボラティリティーの増加というデメリットとして跳ね返ってきます。資産と負債を合わせてみましょう、という考え方も経営上の観点の一つでしかなく、ALMと株価のボラティリティーを合わせてみましょう、もっと他のトレードオフについても考えてみましょう、ということなんだなと思いました。

 

こういう日記、書きたくなったらまた書きます。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

試験から1ヶ月経って、これまでとこれから

年も明けて2024年です。見識を広めようと年明けからいろんなものに指紋をつけています。というのも、4月から働くことになっていて、時間というものを意識したからです。

知らないものに触れる、知るというのは僕の人生の目標の1つとしているわけですが、とりあえず今年ちゃんとやろうということです。

 

[趣味としての店舗開拓]

美味しい食事をいただけるお店を増やしています。知り合いから「この辺で会わないか」と言われたときに、その辺りの美味しいお店をいくつか候補としてすっと出せる人ってカッコイイですよね。そう思って始めました。

東光という銘柄を出している小嶋総本店さんが15本限定で出したという日本酒が美味しかったです。村祐常盤のような甘味が広がる感じがして大好きです。

尾長鯛という魚も美味しかったですね。鯛としての旨みを存分に乗せていて、脂もしっかりあるのにくどくないという筆舌に尽くしがたいものがありました。

とまあ、美味しいものを勉強し続けているのですが、先週は美味しいカレーのお店に行きました。美味しいカレーは初めてだったので、評価軸を作れるまでいろんなところで食べていきたいですね。

 

[アクチュアリー試験関連]

アクチュアリー職の人とは切っても切れないもの、アクチュアリー試験です。12月に試験があり、僕は損保数理と会計経済投資理論を受けました。きっと受かっていると思います。落ちていたら怒ります。

これで一次試験がコンプリートされたことになるので、次は二次試験のお勉強です。

もともと生保よりも損保の方が面白そうだと思っていたのですが、就活中に幻滅していったため生保に行くことになりました。

会社のお金で教科書を買ってもらい、しんどいと噂の二次試験の勉強を始めました。

確かに勉強の方針は見えづらく、さっくり読んで過去問と睨めっこするのを数週間続けてみました。出やすい部分と出にくい部分、出題形式と分野の関係というものが少しずつ見え始めてきて希望が出てきたところです。

某会には所属していないので、自分が勉強するための資料として生保1の要点をまとめる作業を2月頭までにできればいいかなって思っています。

 

[読書]

これに加えていろいろ本を読むことにしました。ADHDって人の話が聞けないので、好きなだけ繰り返せるという点で本はいいです。

毎日何かしらの分野を1章読み進めることを目標にしています。

年明けから読んだ本は4冊です。

 

1冊目 企業価値評価 第7版[上] バリュエーションの理論と実践

https://amzn.asia/d/3D8KY0C

 

2冊目 企業価値評価 第7版[下] バリュエーションの理論と実践

https://amzn.asia/d/3pxpPPu

 

3冊目 数理統計・時系列・金融工学 (シリーズ・金融工学の基礎)

https://amzn.asia/d/dtD0IcQ

 

4冊目 日本国債入門

https://amzn.asia/d/55TLmNS

 

特に日本国債入門は話題の新書となっていたので読みました。専門的な内容なのに読みやすかったです。

VaRショック(176頁)はこれから導入される経済価値ベース評価基準においても同様の事件が起こり得ますよね。正会員の人に「システムを高度化させたいのはわかりますけど、そんな不完全なの導入していいんですかね」って聞いたら「その通りだねー」と言っていました。ソルベンシー規制も過渡期ということらしいです。

 

さて、今机に積まれている本はこいつらです。

 

金融商品取引法 https://amzn.asia/d/crtPjrV

Pythonでスラスラわかる ベイズ推論「超」入門 https://amzn.asia/d/9IwCAhr

Pythonではじめるベイズ機械学習入門 https://amzn.asia/d/5WgYWyU

入門Rによる予測モデリング https://amzn.asia/d/aYuwsFj

現代経済学の直観的方法 https://amzn.asia/d/5jcJknl

経済価値ベースのソルベンシー規制への対応 https://amzn.asia/d/3lE5A8p

 

金融商品取引法も分厚い本ですが、こういう分厚い本って燃えますよね。知らないことが大量に書かれている体系書って感じがします。

例えばインサイダー取引というのも、実は決定的な論拠があるわけではありません。情報格差について論じるのであれば、適切な手法で情報を入手したアナリストも規制の巻き添えとなってしまい、市場の効率性を損ねます。あるいは、経営者のような株主に対して信任義務を負っている人の詐欺行為に相当すると考える場合、今度は企業外部の人が規制対象となりません。「楽して儲けているのはずるい」という直観的判断も、そのような情報を得られる地位につくための労力を考えれば決して楽をしているとは言い切れないものです。

インサイダー取引規制の合理的な論拠は見つかりません。むしろ許容した方が市場の効率性は増すという主張もあります。話題になることが多いインサイダー取引は、市場参加者がなんとなく不合理に感じるから、という非合理的な規制が敷かれているというのです(金融商品取引法427-431頁)。

 

あとは機械学習系の本ですね。コーディングについては42Tokyoという場所で少しだけ触れただけですが、異常検知とかの方面に進めればいいなあと思っています。42Tokyoの入試自体が異常でしたが、これは機会があれば語りますか。

 

[その他]

カードマジックの練習最近サボっています。「カル」がちゃんとできるようになりたいです。

徒歩で伊勢参詣の準備を進めなければいけません。ただ、知り合いから儲け話が降ってきたらそっちやります。