24卒アクチュアリー就活

アクチュアリー」は実質的に閉じた世界であり、アクチュアリー試験についても就活についても情報が外部に回ってくることはそう多くありません。かつて就活という情報戦で苦労した自分のような人のために、去年のことを思い出しつつ、ブログという形で公衆の縦覧に供する媒体で書けるところだけ書こうと思います。

 

 

 

概要

この日記で書く大きな流れとしては

 

・自分の就活の流れ

・感想

 

という感じです。

よろしくお願いします。

 

 

 

前準備

12月のアクチュアリー試験まではその勉強に集中し、2月の結果発表で3科目取れていました。後述する数理試験では、アクチュアリー試験に合格する能力があるかを見ているので、ここで数学を取れていれば数理試験は無条件にパス、という会社もありました。

私は1月から就活を始めたので、そこからの流れについて見ていきます。

 

説明会、インターンシップ参加

最初は某ナビ、某ナビ、某ナビといった就活サイトに登録し、会社の説明会、説明会を兼ねたインターンシップに行きます。1月から2月にここを体験しました。このうち理系ナビでは、アクチュアリー試験の模試で1位を取って景品とかアマギフとかもらったり、そこで仲良くなってそこそこ高い居酒屋を奢ってもらいました。機会があれば宣伝しといて、と言われていたので宣伝しておきます。面接対策とかしてもらったのでかなり助かりました。

さて、このステップは必須ではないので私は生保と損保で1社ずつインターンに参加し、それぞれが何をする会社なのかを知りました。ちなみに、生保損保以外には年金や監査法人といった選択肢がありますが、基本見てませんでした。将来のキャリアから逆算すると最初は保険会社だなあと考えていたからです。インターンに参加すると、基本的には就活のステップで優遇を受けられます。特に、グループワークで担当の社員がつく場合はグループワークを重視していると考えて良いと思います。

インターンは参加するだけで優遇を受けられるので楽です。参加する意義を考えるならば、その会社に集まる学生のレベル感を理解できる、といったことが挙げられると思います。グループワークで全部の作業を私に押し付け、「過程を理解しているのはあなただけだから」と発表まで全て私にやらせたあの会社だけは絶対に行くものか、と思いました。いいことだけではありませんね。

 

ES提出

3月1日からES提出が始まりました。内容的にはどこも似たようなことを聞いてきます。どこも似たようなことを答えていましたが、面接で深掘りされても対処できるようにするためには、この段階できちんと練っておく必要があります。(企業に対して言えるような)大切にしたい理念は自分の成長?海外経験?働きやすさ?雇用の安定?社会に与える影響?それはなぜ、どのような経験でそんな考え方になったのか?というところをスッと説明できるようにしましょう。

どこの会社にESを出すか、という話になりますが、四大生保、三大損保も、その言葉自体もロクに知らなかったので日本アクチュアリー会のHPにある協賛企業名+新卒みたいな感じで調べていました。以下、個人的な偏見を示しておきます。

 

一般に外資実力主義というが、専門職にはあまり当てはまらない

日系企業は基本養ってくれるが、ある程度の理不尽さ(怒られたり)はある

試験対策が手厚く、知名度があって合コンでモテるのも日系企業

外資はその辺お給料と裁量制で対応

外資と一括りにするのではなく、親会社の本拠地(アメリカ?フランス?)を見るべき(cf. アメリカの会社はドライで実力主義)

 

学生経験で力を入れたこととか、なぜアクチュアリーなのか、といった設問は頻出なので、200字、300字、400字くらいのものを書いてコピペで対応していました。学生経験についてはチーム経験の方がウケがいいです。企業はチームで働く場所なので。私が使っていたテンプレを示しておきます。

 

志望理由 就職活動を始めたとき、自分自身がどのように社会に貢献できるかを考えたところ、自分の強みが(自分の強みかつAC職に必要そうなもの)にあると考え、アクチュアリーとして働くことを志し、現在はアクチュアリー一次試験のための勉強を進めています。そのためアクチュアリー職を志望しておりますが、その中で貴社はその(説明会、仕事体験、HP、インターン)にもあるように(会社が強みとしていること、企業理念)という印象を受けました。(自分の理念、考え)と考えておりますが、(企業理念、仕事の進め方を上手い感じに言い換える)その姿勢に共感し、貴社のアクチュアリー職を強く志望しております。

学生経験 学生時代には(学生経験の内容)をした経験があります。(そこであった困難)といった困難がありました。そこで(困難を克服するための工夫)という工夫を施しました。その結果(達成したこと)することができました。この経験から、私の強みが(分析力、傾聴力、課題発見/解決力ほか企業理念に合うものを選ぶ)であると考え、その強みが活用できる仕事に就きたいと考えています。

 

あと、生保への志望理由は人と長く関われるから、損保への志望理由はより一般的な課題解決ができるからという人が多いようです。

ESで落とされることは基本ないですが(一次締め切りで出しましょう)、ネットのESをコピペして落とされた人がいました。皆さんはちゃんと自分で考えて書きましょう。

ESを出したら基本Webテストがあります。受け忘れないようにしましょう。

 

数理試験

アクチュアリー職特有の選考ステップとして、数理試験があります。

インターンに参加していれば周りで過去問を持っている人がきっと一人はいるので、仲良くなってもらっておきましょう。試験範囲としては大体アクチュアリー数学の確率(たまに統計)、大学入試レベルの数学、大学初等レベルの数学(線形代数微積分)といったところでしょう。微分方程式まで押さえていれば安心でしょう。

数理試験は足切り程度の認識でいいと思います。教養学部時代に雑にやった程度ままほとんど復習していない知識で、行列式ってなんだっけという状態でしたが、数理試験で落とされたことは一度もありませんでした。

 

・確率統計

指数分布、ポアソン分布、二項分布、一様分布あたり

複素数

簡単な計算問題、複素平面で考えると簡単になるものとか

・極限

数列と組み合わさることもあるが、せいぜいロピタルで解決できるレベル

積分

積分が頻出、dxdyをrdrdθに置換するのを思い出しておく

・行列

行列式の計算、n乗の計算、対角化

・パズル系

配点次第でちゃんと捨てる

微分方程式

あまり出ない

・複素積分

きもいところは出す(問題量的に解けないところにあったりする)

 

面接

ESと数理試験は基本通るので、面接対策もしておきましょう。

最初は自己紹介で、必要なものは基本情報、過去の特徴的な経験(ここを深掘って欲しいというもの)、面接への意気込みです。私が使っていたテンプレを示しておきます。

 

(学校名)から参りました、(名前)です。 学生時代は(学業、サークル/部活、アルバイト、学外活動ほか)で(活動内容)という活動に注力しました。そこで培った(分析力、傾聴力、課題発見/解決力ほか)を活用する軸としてアクチュアリーを選択し、現在は大学院で研鑽を積んでいます。本日は緊張していますが精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願いします。

 

ESの内容をもとに質問を飛ばしてくるので、面接前には自分が書いたESに目を通しておきましょう。私が受けた質問を示しておきます。これらに対する回答を経験や理由を含めて作り、さっくり言えるようにしておきましょう。

 

(学生経験について)それをしようとしたきっかけは何か

なぜ始めようと思ったか

始めた当時持っていた目標は何か

どのような業務に取り組んだか

その業務の中ではどのような工夫をしたか

チームの中での役割は何か

取り組んでいる最中に大切にしていた想いは何か ぶつかった困難は何か

その困難をどのようにして乗り越えたか

その解決法の策定プロセスは

なぜそのような困難が発生したのか

最も苦労した経験は何か

その経験を通して何を得たか その得られたものが活用できた場面はあるか

取り組んでいる最中に失敗したものはあるか

その失敗に対して今ならどのように対応するか

そのほか、時間を忘れて取り組んだものはあるか

ほかに学生時代に打ち込んだことは何か(合わせて3つあると安心)

なぜ生保/損保/年金か

なぜアクチュアリーか なぜうちの会社なのか(他社批判せず、会社を持ち上げる方向で)

会社に入って成し遂げたいことは何か

アクチュアリーを目指し始めたのはいつか

(院生で過去の専攻と異なる場合)なぜ専攻を変えたのか

志望度はどれくらいか(「第一志望です」と答えないと基本落ちる)

就活の軸は何か 他に受けている企業はあるか(「〜という就活の軸に沿って数社受けています」から入って企業名を続ける)

選考状況は

どんな研究をしているか(中身ではなく、どのような課題解決につながるか)

現在の社会課題に対して取り組んでみたいものは何か

趣味は何か

⻑所、短所は何か(短所はどのように克服しているかまで述べる)

周りの人にどのように言われるか(自己評価との乖離度をみている)

アクチュアリー試験は受けたか

 

最後に逆質問という形で「何か質問はありますか」と言われます。何もないですと答えると企業に興味がないと思われるでしょう。2問くらい用意しておくと良いですが、4問質問しないと時間が余りまくってしまうことがあります。新入社員に期待していることは何か、学生時代に後悔したこと、(面接官)から見て会社にどのような人が多いか、ということを聞いていた記憶があります。

また、面接を受けていれば落とされることもあるでしょう。優れている人が優れた学校に行くというのは企業にはあまり当てはまりません。どちらかというと相性です。体育会系だったり、面接官と働きたくなかったり、就活生側も選ぶ立場であることを認識しておく必要があります。もし志望度が高い会社に受からなくても、「きみも見る目がなかったのか...」と言いながら美味しいものでも食べましょう。

 

 

 

感想

面接でうまく答えられなかったときが一番しんどかったですが、FAQを作り始めて答えられるようになってからは面接も通過するようになり、割と楽しかった記憶があります。ある程度自分が優秀な方だと思っているなら、そこまで気にしすぎることはないと思います。就活生の方はいい企業に入れるように頑張ってください。

そういえばアクチュアリー試験インセンティブってすごくて、一科目受かると年収が数十万上がったりするんですよ。余計に不安になるくらいならそのお金で何するか考えましょう。

 

サクッとまとめるつもりが長文で駄文で読みにくい文章になってしまったかもしれません。ご容赦ください。

ここまで読んでくださりありがとうございました。